ひさびさのDTM当たり本
音楽は抽象的であるがゆえに国境とか言語とか超えてダイレクトに伝わると思うんだけど、一方で、それゆえにDTMとか作曲をこれから始めたいって人たちの取っ掛かりが難しかったり、これからスキルを向上したいって思ってる人たちが何をどうすれば良いのかとかが難しいように思うのです。
私も、DTMでカッコイイ曲作りてぇ!って日々漫然と思いつつも具体的にどうすればいいか分からない民なんだけど、今回『ゲームミュージック作曲テクニック』って本を本屋さんで立ち読みして良さそうだったので買ってきたら、想像の斜め上でめっちゃ良かったので、レビューしようと思うわけです(案件っぽい文章だけど案件じゃないよ
著書情報
『ゲームミュージック作曲テクニック』
著者: 平沢栄司
出版社: グラフィック社
出版年: 2020年
もともとはDTMマガジン(現在休刊中)の連載記事だったものを、著者自身が加筆修正したものだそうです。
ここがいい
データが出版社サイトからダウンロードできる
最近の本は大体そうと言えばそうなんだろうけれど。
楽曲データを聞いた上で、DAW(この本はStudio Oneを使ってます)上のデータがどうなってるか、どういう楽器を使ってこの音を実現してるか、と言うのが余すことなく見れるのがありがたい。
お手本の楽曲が豊富
お手本の楽曲が30曲以上あって、それぞれハード(ゲーム機)、ゲームジャンル、(BGMとしての)音楽ジャンルが違ってて、多岐にわたってるから、どんな曲を作ろうかって迷ってる人には作りたい曲がきっと見つかる。作りたい曲がある人は参考になる曲がきっと見つかる。
ゲームミュージック特有のテクニック
昔々、ゲームミュージックはハード制約との戦いだったので、例えば楽器の音色とか、本物じゃないことを認めた上で、いかに本物っぽさを実現するかに腐心していたわけです。そう言う割り切った発想はこの本にも至るところに散在していて、「Q:オケっぽい雰囲気が欲しい」→「A:オケ楽器を使おう」みたいな、実際の楽器で演奏するとなったら不都合が生じるかもしれないけど、コンピュータ上でしか演奏しない前提で、それっぽい効果を与えるにはどうしたらいいかって言う視点でアドバイスが載っているのが良い。
他方で、例えば「パズルゲームのBGMは思考を邪魔しないような構成にしよう」みたいな、ゲームBGMとして気をつけないといけないことについては、きちんとした(?)アドバイスがあって、こっちはこっちで「あー、こういうことに気をつけないといけないんだなー」って、すごく参考になる。
Studio Oneの使い方がちゃんと載ってる
今までStudio One(通称スタワン)って、ちゃんと使ったことなかったんだけど、インストールからすごい丁寧に書かれてたので、スタワンの使い方でつまづくってことはなかったです。こういうのって注目されないけど隠れたMVP。
タイトルに「ゲームミュージック」って銘打ってる通り、一冊通してゲームミュージックを作るに当たってのテクニックであったりアドバイスが載ってるんだけど、これって今風に言えば例えばストリーミング用の素材としてのBGMを作るときの留意事項に共通する部分も多いなーと思いました。すなわち、思ったより応用範囲が広い。
というわけで、ワタクシ的には久々に刺さったDTMの本でして、一通りDTMのお約束みたいなのは学んだけどそこから先どうしたら良いか分からないよって人とか、「音楽はインスピレーションだ!」みたいな曖昧な言葉で音楽の大海に放り出されて途方に暮れてる私のような人には非常にオススメです、はい。
ちなみに、予備知識無しで、これから作曲とかDTMとかを始めたいなーって人にお勧めしてるのは、「作曲少女」ってヤマハから出てるラノベ。こっちも良い本なので興味のある人は手にとって見ると良いかも知れませぬ。