機械学習の学習データ用にKatagoで生成した棋譜を、他の人の配信とか見ながらぼけーっと並べるのが日課になっているのですが、なるほどなーと思った形が出てきたのでメモ。
(テーマ図-黒番)

右辺のヨセ方やいかに。
(黒5-手筋)

黒1、3、5が上手い。
AのコウとBのキリを両睨みにしています。
(実戦の進行)

実戦は白8まで、黒の先手で一段落。
後にxが黒から先手で効く形になっていて、白地は■から数えて11目です。
(白無理)

前図白6のツギは仕方なくて、放り込みが嫌だからと白1とツグと、黒にキリサガられて白石が取られます。
ので、実戦の進行が相場です。
(白からのヨセ)

ちなみに白からヨセるとすると、白アテの黒ツギとなるのが普通で(つまり白が先手で打てる公算が高い)、
これで白地に手がなくて(アジは悪いですが…)、後に黒x白oとなるとすると、白地は■から数えて13目です。
つまり、実戦の進行においては、黒は先手で白地を2目減らすことに成功したわけです。
このコスミの筋にえらく関心したわけですが、
もっとも、この筋は初めて見たわけではなくて、例えば玄々碁経(14世紀の囲碁本)とかに載っている形だったりします。
(原図)

「玄々碁経」より「六出祁山勢」
白先。
(解答)

白7がさっき出てきた筋。
実戦の形とはダメの具合が違うので、黒は8とツイで抵抗することができます。
(続・解答)

ですが、白13まで黒4子をオイオトシで取って白6子は生還できます。
筋そのものも大事なのですが、どのようにして実戦でこの形ができたのかということを知っておくのも役に立つと思うので、最後にそれを載せておきます。
(図が出来るまで)

どうしてこの形ができたのかは察してください。
もしくは実戦譜を見てください(実戦譜は一番下にあります)。
(続・図ができるまで)

黒1のツケから形を決めにいったときに、白は隅との兼ね合いで白2と飛び込んで得をしに行きました。
黒も隅との兼ね合いで抵抗できないと判断して、黒3、5と無難に受けたときに、白も6、8と下辺をワタリに行って、一段落。
後に黒9とオサエてテーマ図ができました。
私はこの進行を見て、意外と実戦で出てくる可能性のある形かもなーと思いました。
この筋に限らず、詰碁を解いてると実戦ではこんな筋出てくるわけがないと思う筋がたくさんあるわけですが、
実際には見逃しているだけって言うケースも多いのかも知れませぬ。
参考文献:
呉清源-解説, 玄々碁経集1 東洋文庫387, 平凡社, 1980, p.145-146.